Adobe Fireflyとは?特徴やできること、活用例を分かりやすく紹介!

生成AIは、今や日常生活でも当たり前のように耳にするようになっており、ChatGPTをはじめとして既に活用されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、生成AIの中でも画像生成AIを使うことができるAdobe Fireflyの基本的な内容や、どんなことができるのか、その活用例といった概要について紹介します。

Adobe Fireflyとは

Adobe Fireflyは、Adobe社から提供されている画像生成AIサービスのことを指します。

‟ Adobe ”と聞くとPDFファイルを想像される方も多いと思いますが、イメージ通り同じ会社からリリースされており、Adobe Creative Cloudの製品シリーズの一つです。

他の画像生成AIツールを提供されている多くの企業と違い、Adobeシリーズが既に日本向けに展開されていることから(違和感の少ない)日本語で画面が構成されていたり、日本語から画像を生成できる点もあり、馴染みやすさが特徴的なツールです。

では、他にどんな特徴があるのか見てみましょう。

Adobe Fireflyの特徴

先に日本語対応をしているという点について挙げましたが、その他にもAdobe Fireflyには大きく3つ特徴があります。

著作権侵害に抵触するリスクが極めて低い

まず1点目は、著作減侵害に抵触するリスクが極めて低いことです。

生成AIに潜むリスクの1つとして、生成されたコンテンツが学習元となった素材の著作権に抵触する可能性がある点がよく挙げられています。

これは生成AIという技術の問題ではなく、どちらかというと活用するデータ側に問題があり、コンテンツを生成した当人がその気がなくとも、素材の著作権関係があやふやだからです。

上記のことから個人利用はもちろんのこと、企業が利用する際には細心の注意を払う必要があり、活用したくてもなかなか使いきれないというジレンマがあります。

一方でAdobe Fireflyに関しては、同じAdobe社が提供するストックフォトサービスの ” Adobe Stock ”から、著作権者から許諾を得た画像やフリーライセンスのコンテンツ、或いは著作権が既に切れているもののみを使用しているため、著作権侵害に抵触するリスクが極めて低いという特徴があります。

好きな画像を使って新しい画像を生成するこができないという制約はありますが、それ以上に「安心感がある」というメリットを享受できるので特に企業が利用する際には大きな利点の1つだと思います。

生成AIについて、より詳しい内容や注意点を知りたい方については、こちらの記事をご覧ください。

他のAdobe関連サービスとの連携性が高い

2点目は、他のAdobe関連サービスとの連携性が高いことです。

Adobe Fireflyは正式リリースから間もなく、現状開発中の機能が多いためこちらの連携機能については未実装という形ですが、将来的にはPhotoshopやAdobeExpressなどのAdobe Creative Cloudシリーズとの連携が使用できるようになるとのことです。

日常業務の中で上記のツールを活用されている方もいらっしゃると思いますので、より業務効率性を高められるということからも、大きなアドバンテージなのではないかと思います。

UIがシンプルで分かりやすい

3点目は、UIがシンプルでわかりやすいことです。

先述したように画面構成がそもそも日本語対応していることもそうですが、入力するプロンプトも日本語対応していますので特に英訳をすることなく使用できます。

その他、生成される画像の画風を変えたりするなどの細かい編集についてもボタン1つでできるので非常にわかりやすくシンプルなUI構成になっています。

次に、Adobe Fireflyができることをご紹介します。

Adobe Fireflyをつかってできること

Adobe Fireflyは、Photoshopをはじめとした画像編集ツールを提供していることもあるため、他のツールと比較して特別なコマンド入力をすることもなく非常にシンプルに、かつ様々な機能を活用することができます。

2023年9月時点に正式リリースされてからはいくつか機能が制限(厳密には各種機能を正式リリースするため開発中)されていますが、同年3月より提供されていたβ版では非常に多くの編集機能がテストできていたので、既にその実装には多くの期待が集まっています。

今回は、2023年9月時点でAdobe Fireflyが公開している実装済みの機能と、現状開発中と表示がされている機能についていくつかご説明します。

Text to image:入力されたテキストを基に画像を生成する

1つ目は、Text to image(入力されたテキストを基に画像を生成する)機能です。

画像生成といえばというような代表的な機能ですが、他のサービスと異なる特徴としては入力するテキスト(プロンプト)が、英語だけではなく日本語にも対応している点になります。

私も他のツールを使う際には、まず日本語でプロンプトを考えて翻訳してから入力していましたので、思いついた文章をそのまま入力できるという点は利便性が高いと感じられる方も多いのではないかと思います。

Generative fill:選択した範囲に画像を生成する

2つ目は、Generative fill(選択した範囲に画像を生成する)機能です。

添付画像のように、元々ある画像の一部を指定・削除することで新しい画像を生成・挿入できる機能です。

今回はもともと海で泳いでいる魚の画像の背景部分を指定し削除→「Forest(森林)」でText to imageで背景画像を生成してみました。

Text effects:入力したテキストに指定した編集を施す

3つ目は、Text effects(入力したテキストに指定した編集を施す)機能です。

テキストを入力して、そのテキストに対してプロンプトで指定することで好きな編集をかけることができます。

添付画像は、「Y」を入力し、その編集として「花柄」とプロンプト指定したものになります。

Generative recolor:画像の配色をテキストで定義して自動編集する

4つ目は、Generative recolor(画像の配色をテキストで定義して自動編集する)機能です。

生成された画像をアップロードして、その画像の配色に対して新しい定義をプロンプトで指定することで再度配色の編集をかけることができます。

添付画像は、Adobe社から提供されているサンプル画像を用いて、再配色の定義として「海辺の夏」というプロンプトを指定して作成しました。

サンプル画像

最配色後の画像

(開発中)Sketch to image:スケッチを画像に変換する

5つ目は、Sketch to image(スケッチを画像に変換する)機能です。

こちらの機能は現在開発中とのことですが、ラフなスケッチの画像をフルカラー画像に変換する機能が今のところ実装予定とのことです。

実装されれば、ラフ画から正式な画像を作成する際の強力なサポートも担えるポテンシャルがあるのではないでしょうか。

(開発中)3D to image:3Dから画像を生成する

6つ目は、3D to image(3Dから画像を生成する)機能です。

こちらの機能も先ほど同様に現在開発中ですが、3Dモデルのデータから画像を生成する機能が今のところ実装予定とのことです。

実装されれば、建造物の3Dモデル作成から完成されたもののイメージ作成などのサポートツールにも役立ちそうです。

さて、ここまでAdobe Fireflyの概要について記載致しました。

続いてAdobe Fireflyの使い方について簡単に解説致します。

Adobe Fireflyの使い方

ここでは簡単にAdobe Fireflyを使うための手順、Text to imageの簡単な操作方法だけ記載致します。

より細かい操作方法については、こちらの使い方の記事にて紹介していますので気になる方はご確認ください。

使うまでのステップ

Adobe Fireflyを使うまでのステップですが、非常にシンプルです。

STEP1:Webで「Abode Firefly」と検索

STEP2:「Fireflyを無料で始める」をクリック

STEP3:ログインボタンを押し、ログイン

これでAdobe Fireflyを使うために必要な手順は完了です。

簡単な操作方法

次に、Text to imageの簡単な操作方法について説明します。

STEP1:「テキストから画像生成」をクリック

STEP2:画面下部の「生成したい画像の説明を入力してください」に生成したい画像のプロンプトを入力する

STEP3:画像生成完了

今回は、「海辺で決闘する侍二人」というプロンプトで画像生成をしてみました。

非常にシンプルに画像を生成できますので、是非試してみてください。

Adobe Fireflyの活用例

誰もが簡単にイメージした画像を生成できるツールとして今後様々な面での活用が期待されていますが、具体的にどういったことに利用ができそうなのか、その例をいくつか紹介していきます。

(Web)広告などのクリエイティブ創作

まず1つ目は、(Web)広告などのクリエイティブ創作です。

いわゆるこうしたクリエイティブなものを制作する際には高いスキルや感性が求められていましたが、そうしたものについてもAdobe Fireflyを活用すれば一定以上のクオリティを担保した画像を生成することができます。

業務効率性の改善が見込まれることはもちろん、その空いた時間でより理想に近い画像を生成するために思考を費やしたり、よりクリエイティブな時間の使い方ができるようになります。

建造物などの立体的なモデル制作

2つ目は、建造物などの立体的なモデル制作です。

開発中の3D to imageが実装されれば建造物のモデル制作の時間短縮や、より細かい点までイメージできることで営業生産性の向上が期待できます。

新しいアイディア創出のサポート

3つ目は、新しいアイディア創出のサポートです。

新しいアイディアを創出する際には、得てして0から生み出す作業になりがちなので膨大な労力を要することが多いかと思いますがAdobe Fireflyを利用することでそうしたアイディアの具現化のサポートを任せたりすることができ、より業務効率を高めることが可能となります。

いま挙げた3つの活用例については、Adobe Fireflyについてもそうですし、生成AIの活用例という解釈まで広げることもできます。

Adobe Fireflyを活用する上での注意点

ここまでAdobe Fireflyの概要や利便性、その活用例などについて紹介してきましたが、利用頂く上でいくつか注意すべき点があります。

無料で生成できる回数に制限がある

まず1点目は、無料で生成できる回数に制限できることです。

無料アカウントだと、Text to imageや、Text effectsなどの各機能を含めて合計25回の画像生成が可能です。

それ以上の回数で利用したいという方は、月額費用をお支払いする必要がありますのでその点だけご注意ください。

生成したものが必ず理想通りのものであるとは限らない

2点目は、生成したものが必ず理想通りのものであるとは限らないことです。

あくまでも入力したテキストを基にAIが画像を生成するという仕組みなので、1回だけで成功するとは必ずしも言えません。

画風を変えてみたり、より細かい条件を設定してみたりしてイメージに近い画像ができあがるまでは、一定の試行回数が必要になるという前提でお使い頂くとより有意義に使えると思います。

細かい設定をしたい際は難しい場合がある

Adobe Fireflyの特徴でもあるシンプルさですが、裏を返せば細かい設定(例:〇〇を生成しないで、というような出力してほしくないイメージを設定したりする)が少々しづらいという点があります。

今後機能がより開発されていく上でできるようになる可能性はありますが、あくまでも現状はそうした細かい条件付与まではできない設定になっています。

より柔軟に細かい点まで指定した上で画像生成したいという場合には、こちらの記事でStable Diffusionという別の画像生成AIツールを紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

まとめ

本記事では、Adobe Fireflyの概要についてご紹介いたしました。

色々なツールがあるかと思いますが、Adobe Fireflyは日本語対応をしており操作性も非常にシンプルで使いやすいので、まずは触ってみたいという方には特におすすめのツールです。興味のある方は是非色々試してみてはいかがでしょうか。

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